伝えるための考え方
構成のためのモジュールとは
伝えるためのメソッドは動画を見せる順番や見せ方など構成に関するものです。どのようなオープニングカットで始めて、間にどのような情報を入れて、どのように終わらせるか、届けたい情報を伝えるには何カットにして、各カットの秒数はどのくらいにするかなどを考えます。構成を考えられると、できあがりの具体的なイメージをもつことができ、関係者に伝えるのに役立ちます。
伝えるためのメソッドには明確な型があります。その型にはめれば誰でも目的に応じた構成をつくることができるようになります。
カットのモジュールとは
伝えるためのメソッドを学ぶ前に知っておくと便利なのが「構成のためのモジュール」です。モジュールとは、建築材料や家具などの基準法や基本単位、または組み立てユニットのことを指す言葉です。動画の構成というと、難しいストーリーを考えなければならないと思いがちですが、部品を組み立て、組み替えるようなイメージで捉えることで、動画を内する場合でもスムーズに構成することができるようになります。複雑な構成をつくるための知識や技術は専門書に譲り、ここではインタビューや商品紹介動画など、比較的簡単な構成をつくる方法を紹介。
構成をつくるための要素は大別すれば「カット数」と「秒数」。伝えたい情報を動画にするために、どんなカットを、どんな順番で、いくつつくり、それぞれのカットを何秒にするかを考えます。構成のためのモジュールはこれちを考えることを助けてくれるのです。
構成のためのモジュールは、「カットのモジュール」とカットに収める「要素のモシュール」に分かれます。カットのモジュールは「オープニングカット」「カット」「エンディングカット」の3種類があり、オープニングカットは動画の最初に表示されるカットで、視者がこれから再生される動画の内容やテーマがわかる情報を表示します。インタビューであれば人、製品紹介であれば物を映し、登場する人や物の名前、動画のタイトルなどをテロップで表示します。
オープニングカットの次にくるのが動画の主題となっている情報のカット。ここのカットをどのように構成するかでバリエーションが変わります。
伝えたい情報を絞ればカット数は少なくなり、逆に届けたい情報が複数種類あって、種類ごとに見せたい情報があれば、種類ごとにカット数を増やします。カット数を検討する際は、「動画化価値」や「情報の図と地」、視聴者を考えて絞り込むのです。
最後のエンディングカットには、視聴後の行動を促すようなメッセージや撮影対象の価格や申込方法などのお知らせを入れます。商品購入ページで配合し、動画を購入ボタンの直上に置いているなら、「いますぐ購入ボタンをクリック!」といったメッセージにするとよいでしょう。
秒数は視聴者に理解してほしい内容や動画を補足する文字情報の量によって変わります。動きをしっかり見せたい場合や文字数が多い場合は、1カットの秒数は長くした方がよいです。YouTube など各種プラットフォームやWebメディアに広告出稿する際は秒数の指定がありますが、製品紹介ページやメールなどは規定がないです。15秒、30秒、45秒、60秒を目安にしておくと考えやすいでしょう。
たとえば3つのポイントがある商品紹介動画を30秒で制作するなら、オープニングカット、カット A-1、B-1、C-1、エンディングカットの5カットに割り振ります。商品購入ページで配信するなら、すでに商品名や商品の見た目はわかっているでしょうから、オープニングカットは3秒ほどで十分。残り27秒を4カットで割るならカットA~Cに7秒ずつ、最後のエンディングカットで購入特典などのお知らせやメッセージを伝えるために秒数を長めにとって6秒とします。伝えたいポイントが少なく商品の動きをしっかり見せたい場合は、カット数を減らして1カットの秒数を長くしたり届ける情報を絞ったりして、オープニングを3秒、商品紹介カットを22秒、エンディングカットを5秒とする手もありますね。お知らせに関する情報をWebページに載せられるのであれば、エンディングカットは入れずにオープニングカットと商品紹介カットで構成する方法もありますよね。