ニュース
速報性のある発信
ニュースはまだ一般に知られていないような、新しいまたは珍しい出来事の報道や知らせを扱うもので、とくに新製品やイベントの発表・告知と相性がよいメソッド。ニュースは手元の原稿を読むことが自然なので、セリフを覚えなくていいという出演者側にとってのメリットがあり、プ口の出演者ではない、社員が出演する動画としてもおすすめでしょう。
ニュースのメソッドは活用の幅が広く、コストを抑えて自社で制作できるようになれば、社内外の情報発情を動画で行えるようになる。ニュースリリースは生活者やお客様(法人、個人問わず)、代理店やパートナー企業、社員や社員の家族、株主、報道各社、地域住民、求職者などに、自社の活動・動向を知ってもらうための情報であり手段です。この情報を届けるために、自社のホームページやSNSで情報を掲示・投稿したり、メディアに情報を送ったり、Webリリース配サービスを利用したりしているのです。
ニュースの内容は新商品紹介であれば商品の特徴や機能など、イベント告知や社会的活動のレポートであれば開催概要と参加者の様子など、社長交代であれば所信表明などのメッセージがありますが、こうした情報のほとんどがテキストと静止画。今後はここに動画によるニュース配が加わり、社員がキャスター役となる動画も増えてくる可能性があるでしょう。メディア向けのニュースリリースには、取り上げてもらう際の素材として静止画データも付けて送信していましたが、ここにニュース風の動画が加わると動画のURLをメディアの記事に埋め込んで使うシーンも出てくる可能性がありますよね。
とくにこれからは、企業のニュースを発信する担当者(広報、PR担当)や関係者、役員の顔出しは必須でしょう。従来は、企業が発信する情報はプレスリリースや記者発表会をメディアに取材してもらい、記事やレポートとして発信されていました。しかし、そもそもメディアが取材に来てくれるとは限らず、自社サイトから直接生活者に届けられる時代となりました。「取材してもらうための情報」ではなく、「伝えたいことをわかりやすく伝えるための情報」としてニュースリリースを制作する必要があるでしょう。取材してもらうための情報には担当者の顔は必要なかったかもしれませんが、直接生活者に情報を届けるのであれば、担当者が顔を出して情報を届けるべきです。
ニュースリリース動画を自社サイトで配する場合は、動画をYouTube などの外部プラットフォームに置いて、自社サイトには外部リンクを載せておくだけではもったいないと思います。自社サイトの更新感を出す意味でも、動画のプレイヤーをWebサイトに埋め込んで自社サイトで動画を見てもらおう。
業界ニュースをコメンテーターのように社員が解説する
企業が運営するオウンドメディアを見ていると、テーマを決めたら後は編集プロダクションに丸投げして、どこかのサイトの内容をコピペしたような記事をよく見かけますよね。社内に制作機能やコンテンツを制作する余裕がないのかもしれませんが、その会社の特徴や強みが反映されていて、自社「らしさ」がにじみ出るようなオリジナリティのあるコンテンツでなければ、ユーザーのためにはならず、お金を浪費するだけでしょう。コンテンツを一から企画・制作する余裕がなく、自社らしさを出すという2つの課題を解決している事例が、弁護士ドットコム(弁護土への無料相談や紹介サポートなどを行うポータルサイト)のオウンドメディア「弁護士ドットコムニュース」です。
同メディアの記事コンテンツの1つに、世の中で起きた事件や事象を題材にして、それに対する法律家の(法的な)視点から解説をするものがあるもですが、この手法であれば、一からネタを仕込むことも取材にいくこともなく、すでにできあがっている素材を使うことができますよね。
また、法律家の視点からの解説なので、自社サービスの強みやらしさを活かすこともできます。弁護士ドットコムはこれをテキストで表現していますが、表現手段を動画に変えることで、情報番組や経済ニュース番組などで、コメンテーターや専門家のような解説動画を制作することができるのです。
ニュースアプリ、ビジネスメディアアプリなどで、コンサルタントや会社の役員クラスの方々が当該ニュースに対して一言二言コメントを述べる機能がありますが、その動画版だと思ってください。記事制作と動画制作を比べて、どちらが簡単で労力が少ないかと問われれば、本人の得手不得手やスキルの有無によるものの、「ありものの素材」を使用してそれについての解説を「しゃべるだけ、コメントするだけ」であれば、動画の方が労力が少なく制作するでしょう。
ニュースソースの映像や記事をメディアが取材・制作したものを使用するならば、コンテンツ利用の交渉・使用料を支払えば済む話。たとえば、建築・不動産系の企業がこうしたニュース解説動画を制作する場合は、業界専門誌から素材となる情報・静止画・動画を受け取るようなイメージ。この意味で写真や動画を保有するメディアにとっては、新たな収益源になるかもしれませんね。