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内製・外注の核は動画戦略である

2024/06/11

今一度動画戦略を考えよう

「動画は多くの情報を伝えられるのでとにかく動画をつくろう。でも、クオリティが高くて、尺も短くしなと見てもらえない。自分たちで作れないからコストがかかっても仕方がないので外注しよう」

外注される多くの動画はこのような考えでされています。全体のマーケティング戦略の中で、製作する動画がどのような機能・役割を担い、動画化する対象が持っている情報のうち何が視聴者の行動を促す要因になるのか、といった動画戦略の欠如はよい結果を生まないことでしょう。

動画に対する誤った固定概念をもったままでは、外注するにせよ内製するにせよ、視聴者に影響を与える動画を制作することはできないと思います。

・動画を制作する目的・視聴者はどんな人なのか・その人は動画化する対象のどんな情報に価値を感じるか・視聴者は自社とどんな関係性なのか・その動画はどのようなクオリティを目指すのか・どうな文脈でどの媒体で視聴してもらえるのか

こうしたことを考えることで、内製するのであれば動画を制作するための指針になり、外注するのであればそれが制度の高い要件定義となるでしょう。


動画を「つくる」企画と構成

際立たせるためのメゾットと伝えるためのメゾットがある。

動画活用の戦略を描くために必要な3つのあるべき状態の内の1つである「つくる」では、動画の内容、企画や構成を定義し、それを実現するための手段を選択します。「つくる」の手段には数多くの企画・構成のメソッドがあり、これらを知っておくと、動画を内製するにせよ外注するにせよ、動画制作の漠然としたイメージがぐっと具体的になるでしょう。

メソッドは大別すると2種類あります。1つは視聴者にもっとも知ってもらいたい、強い印象を与えたい情報を「際立たせる」ためのメソッドで、もう1つはそれらの情報をわかりやすく「伝える」ためのメソッドである。際立たせるためのメソッドには「誇張」「擬人化」「置換」「比較」など、伝えるためのメソッドには「いってかえる」「やってみた」「インタビュー」「ニュース」「ランキング」「テレビショッピング」などです。際立たせるメソッドを複数かけ合わせたり、「擬人化」した人物を「インタビュー」するという2種類のメソッドを組み合わせて動画の企画と構成を考えることができるでしょう。

メソッドを目的に直接結びつけようとすると、メソッドの選択を誤ることがあり、目的によって適正や向き・不向きがあるでしょう。たとえば、商品の販促をしたいときは「テレビショッピング」が有効ですが、商品の利用方法を伝えるには不向きである。まだ誰も知らない、わかりにくい製品の特徴を印象的に伝えるには、「例えるならこういうこと」と表現する比喩が有効的ですが、類似製品と比較検討する際には「比較」のメソッドが適しているでしょう。

また、動画化する対象や対象がもっている動画化価値、視聴者との関係性もメソッドの選択に影響を与えるでしょう。ITシステムなど無形の製品を動画にして、その機能性や特徴を伝える場合は、無形のものを「有るもの」として表現する擬人化のメソッドが適していると思います。視聴者との関係性が遠いときは有名なタレントを起用して、コント仕立てのストーリーにした方が注目してもらいやすいですが、製品を知ってもらって視聴者との関係性が少し近づき、その品質などについて信憑性をもたせて視聴者の信頼を得たいときは、自社の営業社員やインサイドセールス担当者の顔を出した「プレゼンテーション」が良いと思います。

メソッドの選択には必ず動画活用の目的と成功の定義、そして動画化する対象や視聴者との関係性などから導き出した「つくる」のあるべき状態を定義してから、どのメソッドを選択するかを考える必要があるでしょう。

際立たせるメソッドと伝えるためのメソッドを紹介した後に、成功の定義やあるべき状態によって、どのようなメソッドが適しているのかをいくつかの事例を挙げて次週解説したいと思います。

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