動画化価値を抽出する
主題、要素、機能、属性から探そう
動画化価値は1つとは限りません。1つの商品に複数の動画化価値は存在する。1つだけを選んでも、複数かけ合わせても動画を制作することはできない。紹介・販売したい製品にどんな動画化価値があるのか把握しましょう。
主題・サイクロン掃除機の動画化価値を見つけよう。
「要素」はフィルターレスサイクロン、ノズル、隙間用ノズル、ダストボックス、抗菌ブラシ、アルミ素材のモーター、基盤
「機能」は吸引力が強い、音が静か、手入れとゴミ捨てが楽、ダストボックスは丸ごと水洗い可、軽い
「属性」は赤・黒の2色、キャニスター掃除機
・主題とは動画をつくるときのテーマ。動画化したい対象の商品やサービス名を書き出します。次に3種類に分解して考えましょう。
・要素には全体を構成する部分、部品、パーツ、成分など
・機能には使う目的、使い方、手段、機能、効果効能、ベネフィットなど
・属性には色、サイズ、種別、製作年代、産地、メーカーなどを書き出します。
この時のポイントは情報をできるだけ細かく分解すること!要素か属性かを迷ったら、どちらでもいいので記入しましょう。たくさん出した情報の中から、もっとも動画化価値の高そうなものをいくつか選び取り、その中からもっともその製品の購入者・利用者が、価値・ベネフィットを感じてもらえそうなものを絞り込みましょう。
擬音語や分量・程度
動画化価値がなかなか出てこない場合は、「擬音語で探す」方法と「分量・程度で探す」方法もある。擬音語で探す方法は、食品ではパリパリ、ほくほく、ふっくら、とろとろなど。化粧品ではプルプル、さらさら、もちもちなどがありますよね。例えばマッサージ器の揉みほぐしの機能性を伝えるためのグイングイン動くや、アプリの操作性の良さを伝えるためのサクサク動く、も擬音語になります。こうした擬音語の動画化の事例はテレビCMやテレビショッピング番組を見ていると随所に見られます。
分量・程度で探す方法は、食品ではこんがり焼く、のこんがりがどの程度の焼き上がりか、ぐつぐつ煮るはどのくらいの煮込み具合化を伝えていくのがいいでしょう。肥料をサッと撒くといったような表現の場合は、どのくらいの力加減や勢いで撒けばいいのかわかりにくいですよね。介護用の手すりなどでグッっと力を入れても大丈夫、のグッも全体重をかけても大丈夫なのかといった度合いがわかりませんよね。この力の入れ具合、かかり具合といった情報が動画化価値となるのです。こうした機器の操作の仕方、道具の使い方、食品の作り方、といった動画では分量や程度に関する情報の動画化価値が高いでしょう。
また、一見動きがないように思える対象でも、人が対象に働きかけることで動画化価値を生み出すことができます。たとえば、通販サイトでよく見かける蟹の脚に身がギッシリと詰まった断面の画像があるともいます。その断面だけでは動画化価値は高くないので、静止画で表現した方がいいです。しかし、蟹の脚から中身をベロンとかき出す動きは動画化価値が高いでしょう。中身のハリや柔らかさが伝わってくると思います。
このようにさまざまな方法で動画化価値を抽出していくわけですが、それでもなお動画化価値の高い情報が出せない場合はそもそもその対象が動画化に向いていないと考えましょう。テキストや画像で伝えた方が適切と判断すれば、無理に動画化する必要はまったくないのです。
動画化価値の選択方法とは
抽出した情報のうち、どの情報が動画化価値が高くて期待する効果が得られるかは、実際にその動画化価値を動画にして配信をしてみなければわかりません。しかし、選択した動画化価値を「どのように表現するか?」によって、同じ動画化価値でも得られる効果は大きく変わっていくでしょう。