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動画活用の戦略

2024/02/26

動画制作期間が長くなると、販促期間が短くなります

 

つくる、とどける、まわすをすべて1人の担当者が手掛けることは少なく、担当者が分かれたり部署が分かれていたりします。そのため、動画活用の担当者は、この3つの状態がどのように影響し合うのか、目的実現のためにどのように辻褄を合わせるのか、整合性わとるのか、ということを関与者全員に理解しておいてもらう必要があります。こうしたことが示されない場合は、どのような媒体で動画を届けるのかを確認しておくことが大切です。

店頭でシニア向けの商品説明をする動画をつくることを知らずに、小さなテロップで説明をしてもシニアには見ずらいものになってしまいますよね。季節ものの商品の売り場担当者であれば、商品そのものと口頭の説明だけでは伝えにくい商品の魅力、使用方法、入手方法など、現場が商品をもっと売りやすくするような、現場の状況に即した動画内容を要望しなければ、販売にまったく影響を与えない動画になってしまうでしょう。

3つのあるべき状態のどれかを見落とすと、動画活用に支障をきたしてしまいますので、関与者と共有することによって、個々の重要な時間を使って行う業務を無駄にしないようにしましょう。


 

 

あるべき状態とは

つくる、とどける、まわす、の表現は成功の定義と同様に、○○している、○○になっている、という書き方になる。

介護用品を扱う商社の「営業活動の効率化」を目的にした例で考えてみる。この会社では約100人の営業職員がおり、介護施設運営企業やケアマネージャーなどを訪問して製品提案を行っています。扱う製品点数が膨大で、営業社員の製品知識にムラがあるため、商談中に「あの製品が提案できるかもしれない」と思っても、その製品をうまく紹介することができませんでした。

製品を商談現場に持ってきていないことがほとんどで、手持ちのカタログには説明文と写真のみで、製品の重さや動き、使い勝手などをうまく伝えることができません。そのため、一度帰社してから詳しく調べたり、製品を持参したりして再訪問するという活動を行っていました。

そこで、製品紹介動画を制作し、「製品知識の浅い営業社員でも、売れている営業社員の製品紹介動画を商談中に見せることで、商談機会を逃さないようになっている」を成功の定義とし、つくる・とどける・まわすを考えました。

製品紹介動画を・つくるにあたって、その製品を最も売っている社員がもっとも製品が導入されるポイントを知っているだろうという考えのもと、製品の使い勝手や使用するときのコツなどを動画化しようと思いました。製品の全景や細部を静止画で撮影したものをスライドショーのようにつなげた動画では使い勝手喉を伝えることはできないでしょう。

そこで、つくるの定義は「導入の決め手になった製品の使い勝手などを紹介できている」とします。この表現は、動画制作の手段を選択する際の基準です。動画をとどけるのは、「商談中に、あれが提案できそう。と思った瞬間、すぐに社員に支給されているタブレットで見せる」にします。すぐにというのが重要で、営業社員はその製品名が分からない、または思い出せない事が多いため、製品カテゴリーや製品が解決する課題などのキーワードを頼りに検索しやすくする必要があります。この表現が、制作した動画をどこに置いてどのように見せるか、という手段を選択する際の基準にします。

最も、その製品を売っている営業社員の動画だけに頼っていては、他の営業社員が製品知識を身に付けたり、提案能力を向上させたりすることを怠ってしまうかもしれません。そこで、この製品紹介動画は全営業社員が制作することにしました。この全員参加のハードルを下げるため、製品が導入されたらなぜそれが導入されたのかを顧客にヒアリングしたり自分で考えたりすることで「全営業社員が提案した製品が導入されたときのポイントを自覚できている」という、運用体制のあるべき状態を設定します。

他社の動画を見て、「わが社もあんな動画をつくりたい。あんな動画をつくろう!」と制作してみても、自社の製品や体制に合っていなければ、制作費の無駄遣いになってしまいます。成功の定義を実現するために、動画の内容はどうあるべきか?視聴のされ方はどうあるべきか。それらを運用していく状態はどうあるべきか。これらを考えて設定するようにしましょう。

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