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成功の定義を表現するとは

2024/02/12

成功の定義を表現するときのポイントは3つあります。1つ目は「動画を視聴した視聴者や動画を活用する関与者にどのような変化が起きているか」という視聴者や関与者の心や行動の状態を想像することです。心や行動の状態を表現するので、「○○している」「○○になっている」という書き方になります。できるだけ具体的に表現することが大事ですが、まだ制作もしておらず、視聴者に見てもらったこともない動画が、どのような状態をもたらすか想像するしかありませんよね。うまく書けない時はいったん仮の表現として書くのにとどめ、この後から考える動画の制作内容や方法、配信方法や運用体制を決めてから、あらためて表現を変更・修正してもよいでしょう。


2つ目のポイントは、動画活用の関与者全員から意見・要望を聞き、状況を把握したうえで合意をもらうこと。例えば目的が「語学教室の体験入学・資料請求を増やしたい」だった場合、成功の定義は「授業を担当する先生の人となりや、受講者の外国語によるインタビューを伝え、こんな人から教わりたい、こんな人のように話せるようになりたい、と思ってもらう」という感じです。

「営業活動を効率化したい」という目的に対して動画活用を検討・決定する部署、制作する部署、実際に使用する部署が異なると成功の定義も異なります。売れている営業社員の製品紹介動画を制作して、その動画を商談中に見せれば経験の浅い営業社員でも売れるようになると営業支援部門が考えるとします。この時、同部門が高度な編集機能のついた動画制作ツールを検討・導入しても、実際に動画制作する営業部門は日々の業務で忙しく、動画制作のための十分な時間を取ることが出来なければ宝の持ち腐れになってしまいます。

マーケティング部門がインサイドセールス社員の商談支援用に、大手有名企業の導入事例インタビュー動画を何本も制作するとしたとき、主要ターゲットが中小企業である場合、大手企業の事例は「大手だからできるんでしょ。うちでは無理でしょ。」と思われてしまいます。

動画の視聴動向を把握する場合は解析ツールが必要です。そのデータを営業管理システムと連動させたいと管理部門が考えるとします。しかし実際には動画の解析ツールと営業管理システムのデータの紐づけが大変な施業なので、データの反映に時間がかかり営業機会を逃し、本末店頭になってしまいます。

例えば目的が「営業活動を効率化したい」だった時その成功の定義その1は「製品の知識の浅い営業社員でも、売れる営業社員の製品紹介動画を商談中に見せることで、商談機会を逃さないようになっている」定義その2「商品の魅力や特徴を少ない時間で動画化し、見込客とのタッチポイントを増やし、見込客の商品に対する理解度が上がっている」定義その3「訪問しなくても一斉送信でよい情報をオンデマンド動画化し、個別対応が必要な提案はビデオ商談を行う体制を構築できている」だった時、部署ごとに異なる成功の定義とは。

こうした事態にならないようにするために、動画活用にかかわるメンバーがどうなっていたら助かるか、スムーズに仕事が出来るかを、関与者からすいあげ、すり合わせていく事がよいでしょう。


3つ目のポイントは、「自分はこうなっていたら成功だ」と思うことのできる表現にすることです。2つ目の関与者と合意することと矛盾しているように思うかもしれませんが、マネージャーやクライアントなどの関与者は「動画を活用するといいことが起こるらしい」というボンヤリとした期待だけが先行していることがよくあります。こういう人々は出来上がった動画を見て「なんか思っていた感じと違う」「こういう風にしてほしかった」と批判することがあります。自ら率先して成功の定義を決め、関与者の合意をとってください。関与者が多い場合は、それぞれが同じ目的に対してどのような成功の定義を思い描いているかを書き出し共有し、互いの認識のずれがないかを確認しましょう。

認識のズレに気づかないまま動画活用プロジェクトを進めてしまうと、ここまで述べたような事態がおこってしまいます。良い成功の定義は関与者のやる気を高め、プロジェクトへのコミットメントを引き出す力があります。関与者が腹落ちする「やってみよう!」「ぜひ実現させたい!」と思える表現を設定していきましょう。

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