売れる仕組みを動画でつくる!
動画が及ぼす効果
皆さんは、「今後はわが社も動画活用に力を入れよう「マーケティングに動画を活用しよう」「営業効率化のために動画を使おう」といった気持ちで、動画について調べてみたり、動画制作をメンバーに命じたり、あるいは自分が起案して社内提案したり、クライアントから相談されたりしないでしょうか。BtoB、BtoCを問わず、マーケティングやセールスに動画を活用すると、次のような効果が得られたりします。
・検索結果からオーガニックトラフィックを157%増加・動画広告は静止画に比べてコンバーション率が20~30%、クリック率が2~3倍増加・10人のうち8人が製品やサービスを買うきっかけにつながる・81%がブランドの動画を見て商品やサービスを購入する・メールの件名に動画という単語を記載するだけで、クリック率が13%向上・ランディングページに製品動画を載せるとコンバージョンが80%増加する可能性がある
動画を活用するとウェブサイトへの自然流入、集客、メール開封率、コンバージョンが増加し、営業販売を促進。「動画 マーケティング」「動画 営業」などのキーワードで検索すると、このようなバラ色の効果がヒットします。ビジネスメディアや動画活用に関するソリューションを提供する企業の成功事例があります。
動画活用プロジェクトは失敗がほとんど
しかし残念ながら、成功を手に入れる企業はわずかです。たいていの動画活用は失敗してしまいます。「動画制作のための面倒な作業、それに要する関係者との調整などにかけた時間とお金のわりに、得られた効果が小さかった」ということがほとんどだと思います。「期待したほど再生されなかった」「動画制作ツールや編集ソフト、カメラなどを購入したけど、数本制作しただけで使われなくなった」そうして制作された数々の動画はYouTubeチャンネルに林立する墓標のよにあります。でもちょっと待ってください。ダメだったと判断する前に、次の問いを振り返ってみてください。
・目的に対して時間やお金を使いすぎてはいないか・視聴者の知りたい事や解決したいことを伝えられる構成だっただろうか・視聴者に動画を届けるタイミング、シチュエーション、文脈は定説だっただろうか・制作、配信、ツール導入、動画活用の各部署間の連携や意思疎通はできていただろうか
思い当たることがあるのではないでしょうか。ではなぜそれが出来ずに失敗してしまったのか考えてみましょう。
制作・配信・運用の全体像を描けていますか?
動画活用の多くが失敗に終わる要因は3つあります。①自社の状況に適した制作、配信、運用手段の全体像を描いていない②動画は制作しづらい③動画に対する固定概念や思い込みがある
①の自社の状況に適した制作、配信、運用手段の全体像とは、動画活用の戦略です。。戦略とは目的を実現するための大きな枠組み、方向性の事です。動画活用プロジェクトはただ動画を制作するだけではなく、配信や運用にも目を配らなければなりませんが、多くのリソースと意識が制作に向きがちになります。すると、動画という手段が容易に目的化してしまい、戦略が疎かになります。その結果、せっかく制作した動画を最適な時期に配信できなかったり、動画配信後のフォローが不十分で、動画を有効に活用しきれないという問題が起こったりします。「ECサイトの購入率アップに動画を使う」「見込み客育成に動画を使う」という目的だけでは戦略を描くことはできないのです。
その目的が「そうなったら成功なのか」という成功の定義が重要です。なぜなら動画活用には数多くの要素があるので、その要素を自社の状況に適合するかたちで取捨選択するための方向性を決めなければならないのです。要素には動画そのものだけでなく、動画化したい対象、動画を視聴してもらいたい視聴者、視聴者に動画を届けるための媒体、与えられた予算や時間、プロジェクトメンバーの稼働可能な工数、メンバーのスキルやリテラシー、使用できるツールなど多岐にわたります。配信後の営業現場・売り場などで動画を活用しやすくするための運用、連結する部署なども重要です。企業によっては動画制作および動画制作ツールの導入決定部署などもあります。自社でまかなえなければ、ベンダー各社の知識や技術を買う必要も出てきます。