ユーザーが知りたい情報を意識する
ホームページはユーザーが自らアクセスする
ホームページにおける関係は、ホームページの発信者と制作者の二者間のものではなく、ホームページの発信者と制作者、そして利用者の三者間であることを忘れてはならない。ホームページを制作するときは、ホームページの利用者が面前にいないため、発信者であるクライアントの伝えたい事だけを前面に押し出した原稿が上がってくることがよくある。
しかしながら、ホームページは使用するユーザーにとって常に使いやすいものであることがもっとも重要視されなければなりません。テレビや新聞広告などはプッシュ型の媒体ですから、「自社のすぐれた点」や「製品制作までの思い」などを前面に押し出しても人目に触れ、場合によっては興味を抱かせることができるかもしれない。しかし、ホームページは基本的にプル型の媒体ですから、ユーザーが自主的に調べたりリンクをたどってくることで初めてユーザーの目に触れるもの。
ユーザーが特に知りたいと思わない情報がページに掲載されていると、移り気なユーザーはすぐに別ページに移動してしまうでしょ。したがって、ホームページを制作する際は、「ユーザーが知りたい情報があるか?」を常に考えながらコンテンツを制作していかなくてはいけません。
ユーザーの一番の関心は自分へのメリット
例えば、ある化粧品会社のホームページを制作したとき、商品に関する原稿をお願いしたところ、その化粧品を作ろうと思ったきっかけや研究の実際の苦労話などを交えた原稿が上がってきたことがあった。しかし、結論を言うと、多くのユーザーはそのようなことに興味がないものです。
どんな特殊な技術が使われていようと、研究者のどんな思いが込められていようと、それは二の次です。もちろん、そのようなウンチクを述べたページを制作することは構いませんが、それは最優先の情報ではありません。ユーザーが真っ先に知りたい情報とは、「その商品が自分にとって有効かどうか」です。ホームページのよくよく見直してみてみると、自分本位の原稿になっていることは、実はプロでもよく起こることです。いつも「ユーザーの知りたい情報があるのか?」を考えながら原稿作成をすることで、よいホームページを作成していけることでしょう。
文章にすることでアピール度が変わる
中小企業のホームページを作る場合、制作会社としての悩みの種となるのが、記載原稿の内容が少ないということになります。日々業務に追われている一方、原稿作りなどしたことがないクライアントも多く例えばAという商品のページを制作してくださいと依頼されても、写真2~3点と簡単な説明書などを渡されて、「あとはお任せ」という場合が多いです。
制作する側からすると、商品の特長なども今一つわからないので、結局いただいた説明書の内容をそのまま記載して終わりとなってしまいます。しかし、そのようなページを作成しても誰もその内容に興味を持ってくれないのが現実です。したがって、原稿を用意するときは、必ず文章で記載されたものを用意しましょう。
どんなに内容が少ない商品であっても、文章にすることでボリュームも増えるはずですし、読みたくなる原稿を用意することができます。例えば、ある製品の内容が「充電時間30分」と記載されているのなら、「充電時間は、30分と非常に短いので、仕事の合間にでもすぐに充電する事が出来ます。もう電池の持ちを気にする必要はありません」と記載した方が、ボリュームも出せ、かつ読み手にとってもアピールポイントがすぐにわかりますよね。
また、文章にすることの長所としては、検索してアクセスしてくるユーザーのほとんどが、文章で検索するということです。「充電時間」と検索する人よりも、「充電 短い」などと検索する人の方が多いので、文章にすることで、より自然に検索ワードを入れ込むことができるでしょう。ホームページの情報は文章化した方がアピール度が高くなり、検索ワード対策としても有効であることを忘れないようにしましょう。