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ウェブ業界の不都合な真実

2023/08/07

ウェブ対策が発展するほど、儲からなくなる?

インターネットが一般になるにつれて、ホームページを公開して自社の製品・サービスの事をより多くの人に知ってもらいたいと考える企業が少しずつ現れはじめました。そして、それに伴い、企業から代金をもらってホームページの作成を代行する制作会社や個人が現れはじめました。これがウェブ業界の始まりです。

当初はHTMLと呼ばれる英語の記号のようなものを直接入力しなくてはならず、専門的な知識を必要としたため、ホームページの制作コストは非常に高くつきました。そのため、ウェブ業界は一気に花形産業へと成長し、そこで働く人もものすごく増えました。その後もより複雑な画像処理や動画を扱うようになることで、ウェブ業界は順調に発展していったのです。

しかしながら、ウェブ業界は新たな局面に入っていきます。新しい技術は出現するものの、次第に「より簡単」で「より安価」な方向へと流れ始めていったのです。

例えば、インターネットで利用する地図は、少し前までは有料で買うのが当たり前でした。しかし、今ではグーグルマップの出現により無償で使えるものに変わりました。

さらに、ホームページの専門知識がなくても、誰でも簡単に制作できるサービスやソフトが出現しました。また、情報を配信するだけなら、フェイスブックやインスタといったSNSサービスやツイッターのようにリアルタイムで世界中に発信できるサービスが、すべて無料で使える時代になりました。

自動車産業で、最終的に無料で車がもらえるということはあり得ません。しかし、ウェブ業界は、最終的にホームページをただで手に入ることができるようになってしまったのです。つまり、ウェブ業界は技術が発展すればするほど、その行きつく先は、サービスを誰でも簡単に使えるようになり、料金も限りなく無料に近づいていくという業界なのです。ウェブ業界の不都合な真実、それは業界が成熟すればするほど、儲からなくなってしまう業界であるということです。


多数抱えている制作者がウェブ制作会社を苦しめる

ウェブ業界とは、【火】に似ていると私は思っています。火は人類に革新をもたらした非常に便利な道具です。誰もが火を使えない時代、火を扱えることは非常に価値があったでしょうし、その技術は高く売れたと思います。

その後、より簡単に火を扱える道具が発明され、次々と世の中に普及しました。現在は誰でも簡単に火を扱うことができますし、あえて言うならば、100円の価値になった火というものを意識して使う人もほとんどいないと思います。

ウェブも、最終的には同じように、誰もが無意識に使いう一方で、どんな業種のどんな人にとってもなくてはならない”道具”になるのだと私は思います。現在のウェブ業界は、まさにその過渡期あるといっていいと思います。

そんな中で、ウェブ業界はの入り口に関して言えば、先に挙げた各種サービスを利用したり、書店に行って「はじめてのホームページ」といったタイトルの本を読めば、素人でもそこそこのレベルのホームページを簡単に制作できる状況になってきました。

しかし、あまりに変化のスピードが速いため、実際のウェブ業界では、まだこのような状況に対応できずに困惑している制作会社が多数存在している状況です。

そもそもホームページの制作案件が減っているにも関わらず、多数存在する競合会社との競争や大きな案件に対応するため、ウェブ制作者を多数抱えてしまっている制作会社が多いのです。しかし、制作価格はすでに暴落しており、以前は100万円ほどしていたホームページ制作費用が今では10万円程度となってしまっています。

しかしながら、ウェブ制作者を抱えてしまっている以上、どうしても制作の案件を生み出さなければいけません。そういったひずみが、ウェブのビジネスがなかなかうまく行かない大きな要因となっているのです。

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